キンポウゲ科クレマチス属のつる性植物であるカザグルマは、パテンス系(※1)といわれる大輪系品種群の交配親にあたる植物です。19世紀前半に、シーボルトによって日本からヨーロッパに紹介され、現在の様々な大輪系品種の基礎となりました。 |
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「相模原のカザグルマを守る会」の会員(里親)が管理する鉢植えを当公社事務所入り口に展示しました。 この鉢植えは、自生地由来の挿し穂から育てたもので、いずれは、市内の補強地に移植されます。 |
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令和3年4月 |
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令和2年5月 |
令和元年5月 自生株から挿し穂を採って増やした株を 文献や伝承等の検証により かつては自生地であったと推定される場所に移植(補強)し、定着することがわかっています。 「相模原のカザグルマを守る会」の皆さんが中心となり、日照条件や欠かせない水源などを調査しながら生育状況を観察し、無事、開花するに至っています。
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平成28年(1月)
「相模原のカザグルマを守る会」「市立博物館」「まち・みどり公社」の共催で、「カザグルマ保全に関する公開報告会」及び「シンポジウム 関東圏のカザグルマを救えるか」を開催しました。
カザグルマ研究の専門家(教育機関)はじめ、相模原市、船橋市、横浜市など関東圏の自生域の保全活動を行う市民グループや、人工増殖等の研究を行う学生らが報告し、保全活動における課題や解決に向けた取組みについてディスカッションが進められました。
自生地での取り組みとして、自生する個体周辺の環境整備や、増殖した個体を自生地に戻す「補強」を行い、自生地の復元を目指す活動を行っています。
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補強作業 |
枝を少量採取して得た挿し木苗が根付き、新芽を芽吹かせています。また、秋に播種を行った種子も翌春になってやっと萌芽しました。貴重な「相模原市産カザグルマ」です。 | ||
挿し木による増殖 |
播種による増殖 |
ツル伏せによる増殖 |
2009年、市立博物館と共同で、あらかじめ把握されている市内自生地の調査を実施しましたが、確認に至った個体数は圧倒的に少なく、増殖を目的とした挿し木用の株の確保は慎重を極めました。 2010年には、県立中央農業高等学校(草花部)の皆さんが、組織培養による増殖の研究を開始し、まずは、パテンス系の園芸品種の培養体系を確立し、その後、カザグルマでも組織培養の成功に至っています。個体数の少ない自生地のカザグルマの遺伝的系統を絶やさないようにする上で有効な手段となりそうです。 |
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カザグルマの組織培養 |